「赤ちゃんのチャイルドシートの使用は義務なの?高いからできれば買いたくないんだけど」というそこのあなたへ、この記事の回答を先に述べると、チャイルドシートの使用は義務です。
ですので、出産してマイカーで退院後帰宅する予定の方は、妊娠中にはチャイルドシートやベビーシートを購入して設置しておく必要があります。
今回は、これから赤ちゃんを迎えるという方へ向けて、チャイルドシートはどうして義務なのか。違反すればペナルティはあるのか。更にチャイルドシートの向きや設置する位置など深く詳しくご紹介いたします。
赤ちゃんのチャイルドシート設置は義務
自動車の運転者は、幼児用補助装置(幼児を乗車させる際座席ベルトに代わる機能を果たさせるため座席に固定して用いる補助装置であつて、道路運送車両法第三章及びこれに基づく命令の規定に適合し、かつ、幼児の発育の程度に応じた形状を有するものをいう。以下この項において同じ。)を使用しない幼児を乗車させて自動車を運転してはならない。ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
2000年4月1日の道路交通法改正によって、幼児である6歳未満の子供を乗車させる場合はチャイルドシートやジュニアシートの使用が義務付けられました。
警察庁と一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)が令和元年6月1日から6月16日までに行った全国調査によると、全国でチャイルドシートが使用されているのは70.5%。
全ての乳幼児を乗せる車が、チャイルドシートやジュニアシートを使用していないのが現状です。
6歳未満の子供を車に乗せる際はチャイルドシート・ジュニアシートなどの使用が義務なので、この義務を怠ると交通違反の点数1点が加算されますが、罰則や罰金はありません。
しかし交通違反の点数1点が加算されるのは事実なので、過去に加算されていれば、これがきっかけで最悪免停となる場合もあります。
チャイルドシートの設置が義務ではない場合
先ほど引用したカ所に、『ただし、疾病のため幼児用補助装置を使用させることが療養上適当でない幼児を乗車させるとき、その他政令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。』と記載されていたのにお気づきでしょうか?
チャイルドシートやジュニアシートの使用は6歳未満の子供を乗せるなら義務ですが、特別なケースを除けば義務ではなくなります。
しかしこの義務ではなくなる免除となる条件も道路交通法で定められているので、個人で判断できるものではありません。
道路交通法施行令第26条3の2の2によると、以下に該当する場合はチャイルドシートやジュニアシートなどの使用は義務ではなくなるとしています。
第一号 その構造上幼児用補助装置を固定して用いることができない座席において幼児を乗車させるとき(当該座席以外の座席において当該幼児に幼児用補助装置を使用させることができる場合を除く。)。
第二号 運転者以外の座席の数以上の数の者を乗車させるため乗車させる幼児の数に等しい数の幼児用補助装置のすべてを固定して用いることができない場合において、当該固定して用いることができない幼児用補助装置の数の幼児を乗車させるとき(法第57条第1項本文の規定による乗車人員の制限を超えない場合に限る。)。
第三号 負傷又は障害のため幼児用補助装置を使用させることが療養上又は健康保持上適当でない幼児を乗車させるとき。
第四号 著しく肥満していることその他の身体の状態により適切に幼児用補助装置を使用させることができない幼児を乗車させるとき。
第五号 運転者以外の者が授乳その他の日常生活上の世話(幼児用補助装置を使用させたままでは行うことができないものに限る。)を行っている幼児を乗車させるとき。
第六号 道路運送法第3条第1号に掲げる一般旅客自動車運送事業の用に供される自動車の運転者が当該事業に係る旅客である幼児を乗車させるとき。
第七号 道路運送法第80条第1項ただし書の規定による許可を受けて人の運送の用に供される自動車(特定の者の需要に応じて運送の用に供されるものを除く。)の運転者が当該運送のため幼児を乗車させるとき。
第八号 応急の救護のため医療機関、官公署その他の場所へ緊急に搬送する必要がある幼児を当該搬送のため乗車させるとき。
引用Safety Kids/国土交通省
上の引用では分かりにくいので、以下に分かりやすくまとめてみました。
- 4点式や5点式シートベルトなど特殊なベルトで装着できない場合
- 知り合いの子供を乗せる場合などで、一部の子供のチャイルドシートなどは用意できるが、その他の子供の分は用意できない場合
- 股関節脱臼や酷いアトピーなどで、チャイルドシートを使用することで症状が悪化する場合
- 首は座っているが体が大きいなどで、成長に応じたチャイルドシートを使用できない場合
- 授乳やおむつ替えなどで一時的にチャイルドシートが使用できない場合
- バスやタクシーに乗る場合
- 迷子である幼児を保護して交番などに届ける場合
- 子どもが急な病気・ケガなどで緊急に病院まで向かう必要がある場合

こうやってみると分かりやすい!アトピーや股関節脱臼など身体的な状態については医師に相談してみましょう
赤ちゃんのチャイルドシートの向きと位置は?
チャイルドシートやジュニアシートなどの乳幼児用補助装置は原則として使用が義務化されているのは分かりましたが、特に赤ちゃんの場合はチャイルドシートの向きは前向きと後ろ向きのどちらを使用すればいいのでしょうか?
一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)は、赤ちゃんのチャイルドシートの向きは体重が10kgくらいまで(新生児~1歳まで)の間は後ろ向き取り付けを推奨しています。
また、赤ちゃんのチャイルドシートを設置する位置に悩まれる方が多いと思います。
運転手から赤ちゃんの様子が見える助手席にチャイルドシートを設置したいと思っている方が多いですが、助手席の設置はエアバックの強い衝撃によって子供が怪我や車外に吹き飛ばされるなどのリスクを伴うのでおすすめしません。
万が一事故が起こった際、運転手は自分の身を守るためにハンドルを衝撃がある側(追突する側)とは逆に切るため、おすすめは運転手の後ろの席です。
我が家では1歳と4歳の子供2人が居て、ジュニアシートを使用している4歳の長男は助手席に、まだ小さい1歳の次男は運転手の後ろにチャイルドシートを設置しています。
赤ちゃんがチャイルドシートで泣く場合は?
赤ちゃんをチャイルドシートやジュニアシートに乗せると、お母さんやお父さんの顔が見えなくなるので泣く場合もあります。
赤ちゃんの体重が10kgを超えて、前向きにチャイルドシートを設置できるようになったら、助手席に乗せることも可能です。
しかし万が一の事故の際はエアバックの衝撃から赤ちゃんを守るために、日本産婦人科医会では『座席を一番後ろまで下げ、前向き用チャイルドシートを必ず前向きに取り付けること。子供をチャイルドシートに座らせ、そのベルト等を正しく着用後、バックル等が確実に差し込まれていることを確認すること。』としています。
これらのことを守れば、不安がってチャイルドシートに乗せると泣く赤ちゃんを助手席に座らせることができます。
ジュニアシートとチャイルドシートの違い
チャイルドシートとジュニアシートは、どちらがどのような特徴があるのか、その違いがイマイチ分からないという方が多いでしょう。
ジュニアシートは、3歳以降(身長100cm体重15kg)を超えたら使用するのが目安の幼児用補助装置です。
一般的なジュニアシートは座面と背中に当たる背面が一体型になっており、幼児の体がフィットするようになっている物と、座面だけ販売されているものが主流ですが、1歳を過ぎたら使用できる5点式ベルトのジュニアシートもあります。
我が家の次男(1歳6か月)が使用しているのは、コンビの「ジョイントリップ」というジュニアシートです。
1歳から使用することができるジュニアシートで、成長に合わせてスタイルを変えることができるので、最終的には座面だけにすることができます。

車に6歳未満の子供を乗せるなら、チャイルドシートやジュニアシートなどの使用は義務!違反すれば交通違反1点の加算になります。
子どもを乗せるなら特別な理由がない限りチャイルドシートやジュニアシートなどを使用しましょう